後閑愛実

見舞いに来た家族が穏やかな会話をしている中で、息を引き取った瞬間が分からないくらい自然に眠るように亡くなった九十歳くらいの男性がいました。一週間ほど前まで普通にご飯を食べていましたが、だんだん眠る時間が長くなって。意識はないけれど、家族が来ると穏やかな顔になる。死の間際によくある張り詰めた空気でなく、毎日家族が見舞いに来てベッドわきで話を交わしている日常の中で亡くなったのは、自然でいいなと思いました。